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やさぐれ漫画描き、広枝出海のブログです。 創作同人情報、美術展やら映画感想など 獺祭状態でつらつら書きたいな~、と。 カワウソは取った魚を祭るように陳列するそうですが、散らかしているだけとは言ってはいけないお約束(^_^;)          無断転載はどうぞご遠慮下さいませ<(_ _)>

   
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映画『9日目~ヒトラーに捧げる祈り~』を見ました。
映画『9日目 ~ヒトラーに捧げる祈り~』(2004年 ドイツ、ルクセンブルク、チェコ合作。 フォルカー・シュレンドルフ監督 日本未公開)をDVDで見ました。



あまり予備知識もなく「あ、ナチものなら見とこっかな」くらいの気持ちで借りたんですが、当たりました (〃゚ω゚〃)!
私的にこれは今年一番の当たり映画です!きらーん。
あ、でも副題はいかーん。原題通りの「九日目」だけじゃ弱いのは分かるけど、せめて「ナチに捧げる…」程度でしょ?
ヒトラーの名前はかろうじて出ても敬礼くらいだし….。



物語は収容所から始まります。とにかく事前知識がなかったので「囚人のお祈りはこれ、何語??イディッシュ語ってやつ?でもこれってキリスト教の儀式のような…?」映画の収容所=ユダヤ人収容所と思い込んでいたので、いきなり頭が疑問符だらけになりますが、話が進むにつれ、状況が判然としていきます(お祈りはラテン語だったんですね)。

場所は後に悪名を轟かすポーランドのダッハウ収容所(時代は「ハイドリヒが…」とか言ってるので40年代頭?)そこには「司祭区域」、カトリックの神父だけを集めた棟があった。ナチに反抗的とされた神父の収容棟だ。神父たちはユダヤ人と変わらない、あるいはそれ以上の過酷な環境におかれていた。そこは正に生き地獄だった。

囚人のひとり、ルクセンブルク人のクレーマー神父(ウルリッヒ・マテス)はなぜかある日突然釈放される。「この金があればルクセンブルクまで帰れるか?」看守の将校から夢のような言葉を掛けられ、何がどうなってるのかも分からず神父は家路に着く。が、案の定、帰路途中でゲシュタポに呼び止められる。しかしゲシュタポは、神父を妹の引っ越し先まで車で送ってくれるだけだった。ただ一言を残して。「明日ゲシュタポ本部に出頭するように」

逃げるわけにも行かず大人しく出頭すると、私服の親衛隊将校、ゲプハルト少尉(アウグスト・ディール)が紳士的に出迎えた。意外な出来事の連続に怯え戸惑う神父だったが、彼の心を見透かすように少尉は告げる。

「貴方がナチの指示に従わなければ、この釈放は取り消され、九日後に収容所に逆戻りになる。
逃亡を図れば、収容所の仲間の神父全員が処刑される」


ナチの目的は、反ナチ姿勢を崩さないルクセンブルク司教を懐柔すること。
だからこそ、良家の出身で司教に近しいクレーマー神父に仲介役の白羽の矢を立てたのだ。しかし、親しいからこそ司教の決意の固さを神父はよく知っていた。それ以上に彼自身もパリでレジスタンスをしていた身。到底受け入れられる話ではない。かといってあの地獄に戻ることなど考えられない。
自分の命、弟妹達親族の運命、仲間の命、カトリックとルクセンブルクの未来を思って神父は悩む。
一日、二日、三日…。

一方、神父の運命を握るかに見えたゲプハルト少尉だが、彼の運命もまた神父に懸かっていた。神父が否と言えば、少尉は「よく知っている」収容所勤務に左遷されるのだ。


見どころは、話が進むにつれ神学校出だと判明する少尉と神父の討論です。自分がユダになるのは耐えられないと苦悩する神父。ユダは決して裏切り者ではないと神父を説得する少尉。

ユダは裏切り者なのか?イエスを売ることでイエスの予言を成就させたユダこそが、キリスト教の真の創設者ではないのか?
迷う神父と迷わないナチ将校。この対比がとてもいい!

しかも、何が良いって

少尉役のアウグスト・ディールが………超イケメンーーー!

好み過ぎです。ヤバいです。きゃーーーーーーーーーー (≧ω≦o)!!
こーゆークールビューティーな将校が理想だっ(何が?)


顔も素晴らしいですが(笑)演技も素晴らしい!
当初は余裕たっぷりで寛容さを見せる少尉の、一転してゲシュタポの残忍さや高圧的な一面。時間の経過と共に焦り出し、神父によって追い詰められていくその表情には惹き込まれます。

「収容所で何を見た(した)?」

クライマックスの神父の問い掛けにキレる顔は、特にいい!思わずリプレイです!

少尉役が彼じゃなかったら相当地味な映画ですよ、これ(私の萌えバイアスのせいぢゃないハズさ!)。主役は神父ですが、少尉の方が背景は複雑で(建前上キリスト教を否定するナチに志願する神学生って多かったんでしょうか)、かなり美味しい役かと。
この映画は実話ベースだそうで、まあお話的に神父の結論は想像つくけど、気になるのは少尉のその後だよぅ(ノω≦`)ノゲシュタポなんかやってるけど、ほんとはきっと善人なんだよこの人!
ああっ、少尉のその後が気になる~。

対話劇な映画なので映像的な派手さはないですが(私は俳優さんの美貌で派手ポイント満点ですが)地味ながら光った佳作だと思います。日本で公開されなかったのは本当に惜しい!DVDが出るだけ良かったけど。
ルクセンブルクという、あまり馴染みのない国の映画というのも注目です(ルクセンブルクってドイツ語とフランス語のハイブリッドだと思ってたら、ルクセンブルク語があるんだ…。初めて知った…恥)


もう一度戻って、美形俳優アウグスト・ディールさんのお話 (〃゚ω゚〃)

惜しいのは少尉がずっと私服スーツなところ。
威圧感を与えないための彼の作戦の一つかもですが、でもっ!制服を!制服姿が拝みたい…っ!!(スーツ姿も似合ってますが。ていうかどこのブランドのモデルですかっちゅーくらい。座って足を組んでるだけで、絵になり過ぎでしょー!1940年代のスーツもいいな~。)とシリアスな映画を見ながらヨコシマに悶々してたら、終盤では制服姿を披露してくれました。
フィールドグレーの野戦服だけどさ… (´・ω・)それもいいけど黒勤務服…黒服を…っ!

と、悶えていたら。なになに?

『イングロリアス・バスターズ』に親衛隊のヘルシュトローム少佐役で出ている!?
こっちは黒服だとぅ!?『イングロリアス~』見たけど…(感想は…ハリウッドだしね…。タラちゃんだしね…。…それでも言いたいっ。他の全てに目を瞑っても、あのパラレル落ちはあんまりだよ!タラちゃん!)
あ!そうか、こーゆー美形にこそSS黒服が似合うんだー!って喜んでたらあっさり殺されちゃった人か!私、彼に大佐をやって欲しいと思った気がする…。年齢的に大佐は無理だったか?
あああ、もう一回見るべき?オチまで見なければいいのか?ううう~ん。


アウグストさんばっかりなのもアレなので、主役のウルリッヒ・マテスも少し。

「すごい頬のこけっぷりだ~。収容所な感じを出すためにどんだけ減量したんだろ…」と尊敬して調べたら、この俳優さん『ヒトラー最期の12日間』でゲッベルスをやってたんですね。そっか!「なんかすごい異相のゲッベルスだ…!」と容貌ばかりに目がいっちゃったあの人だったんだ。つうと、つまり元々こーゆー顔の人なのか…。…。
神父姿がなんかホラーに見えたのは、俳優さんのせいじゃなくてエクソシストの刷り込みのせいだよね、きっと… (・´ω`・)。


イラストは、欲求不満から勝手に捏造しちゃったゲプハルト少尉黒勤務服バージョン。あんま似てませんが。
ちゃんと麗しいアウグスト・ディールを確認したい方は是非レンタルを!是非是非♡


…『イングロリアス・バスターズ』もう一回見るべきかな……ううう~~。

拍手[4回]

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「イングロリアス・バスターズ」の方が映画としては出来が良かったと思いますけど…。
  • ないしょ さん |
  • 2012/06/26 (23:36) |
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  • 返信
プロフィール
HN:
広枝出海
性別:
非公開
趣味:
現在絶賛HURTSにはまり中( *´ω`)
こんな漫画描いてます
ブクログにショートショート漫画置いてます(古いけど(^_^;))いちおー、耽美ホラー(…のつもり)良かったら御笑覧下さいませ
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