やさぐれ漫画描き、広枝出海のブログです。 創作同人情報、美術展やら映画感想など 獺祭状態でつらつら書きたいな~、と。 カワウソは取った魚を祭るように陳列するそうですが、散らかしているだけとは言ってはいけないお約束(^_^;) 無断転載はどうぞご遠慮下さいませ<(_ _)>
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『リヴィッド』(ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ監督 2011年フランス制作)を見ました。
ホラー映画って自分から積極的に見たりはしないんですが(ホラーは好きなんだけど…ホラー映画ってなんか違うんだよなぁ…)
トレーラーの雰囲気が良い感じだったのでチャレンジ ( ・`ω・´)っ
フランスのひなびた港町。看護師見習い(?はっきりとは説明されないので今ひとつ謎)のリュシーは先輩の中年女と車で訪問看護に回る。
そのうちの一軒はうっそうとした森の中の廃墟のような屋敷。そこには寝たきりだという老婆がなぜか輸血を施されていた。
「ここには宝があるそうよ。でも私も探したけど見つからないわ」
女の一言は、今の生活にうんざりしていたリュシーの心を惹き付けた。同じように閉塞感を抱える男友達らと、なし崩しに話はまとまり、宝を盗み出そうと屋敷に侵入してしまう。
しかしそこで彼らが見つけたのは老婆の、若くして亡くなった娘のはく製だった 。
寂しげな海。
左右の眼の色が違うヒロイン。
廃墟同然の屋敷。
ミイラのような老婆。
惨殺される少女。
バレリーナ姿のはく製の娘…。
なんか色々てんこ盛りです(^_^;)
流血スプラッタも大盤振る舞いですが、その一方で映像はフシギと抒情的。娘の部屋でお茶会ポーズしてる動物のはく製とか、ベールを被ったバレリーナの少女たちとか、はく製作りの部屋とか。かと思えば少女も婆様もエンリョなくボコってます(これ、日本だったらNGなんじゃ…(; ゚ ω゚))。
情感を無くすとハリウッドホラーで、情感があるのがフレンチホラーってことでしょーか(ネオフレンチホラーと煽ってますが)
基本の、閉じ込められて「ぎゃー」って展開ではあるんですが、むしろ後半が見どころなのかも。リアル犯罪込み、吸血鬼もの、心霊もの、さらには少女たちの百合っぽいような友情?まで…ほんとにいろいろ入ってます。
監督さん、インタビューで「カテゴライズできないものを作るなと批評家から怒られた」と言ってますが…。
うん…確かに(笑)
でも嫌いじゃないなー。こーゆーの( ´ω`)ていうか好き。作品ジャンルって境界線をきっぱり引かなければならないものなのかなぁ。
ラストに意味不明感はありますが(言いたいことは分かんなくはないけど…。スプラッタ展開からまさかこう締めくくって来るとはビックリ)最後の方の展開はかなり好きです。ただの雰囲気フリだけかと思ってた伏線も一通り回収されてるので、意外と破綻もない(笑)ヘテロクロミア(古いフランスの神話に「二つの魂を持つ」って話があるそうで ※監督談)に、ちゃんとストーリー上の意味あったんだ!って逆に驚いたり(^_^;)
もろ手を挙げて「面白いよ!!」とも言いづらいけど、ストーリー性の濃い、大長編PVみたいだと思いました。もーちょっと流血控え目の方が好みなんだけども(血ぃ出せば怖かろ?って西洋ホラー映画はどうにも違和感が……)
とにかくやたら映像に雰囲気ありまくり。やっぱフランス映画は違うな~。
ところで。
あの屋敷は日本人のイメージするフランスのお屋敷っぽくない…(・ω・。`)
アメリカンスタイルっぽく見えるんだけど。もっとおフランスしたお屋敷にできなかったのかな…惜しい
っ(・´ω`・)。
けどなにより、ベール被ったバレリーナ姿の女の子!
もうそれだけでゴシックホラー!